そのまま読めば、事故や違反をしていなければ「義務ではない」とも解釈できそうだが、検問や任意での提示要請を拒否した場合、警察官が「はい、分かりました。どうぞお気を付けて」とスルーするわけがないのはお分かりだろう。

 逆に怪しんで執拗(しつよう)に求めるだけだ。

 同120条には罰則規定(5万円以下の罰金)があり、拒否を続けると「免許証提示義務違反」で現行犯逮捕されてやっかいなことになり得るので、結局は素直に提示した方が無難といえる。

 ただし、任意で免許証の提示を求められたのに、理由もなく住所など個人情報を控えようとした場合は、きちんと拒否すべきだろう。

 全国で25万人以上もいる警察官。筆者の知る限り警察官は正義感の強い方ばかりだが、これだけの人数がいれば、谷内被告や元巡査以外にも、偶発的に職権を悪用する警察官がいるのは不可避なのかもしれない。

 ただ、警察官が治安を守るため職務に専念し、そして市民も法令順守に努める社会が健全なのは、言うまでもない。