東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長による女性蔑視発言への批判の声が高まっている。森氏が日本オリンピック委員会(JOC)の評議員会で発言した内容は批判されてしかるべきだし、謝罪は当然だ。しかし、その過熱する報道には違和感も覚える。(元衆議院議員 宮崎謙介)
森会長の女性蔑視発言
報道のタイミングに違和感
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(元首相)の発言が物議を醸しています。日本オリンピック委員会(JOC)の評議員会での「女性を会議に入れると会話が長くなる」という趣旨の発言が、オリンピックの男女平等の精神から大きく外れるという批判です。令和時代の日本において、ましてや21世紀の国際社会においてこの女性蔑視と取られる発言は容認されるべきではないし、世界から痛烈に批判されても致し方ないことです。
しかし、私はこの報道を知り、その後の国内外の反応を眺めていて違和感を抱き始めました。特にこの日本国内における「森喜朗バッシング」です。
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の会長としての不適切な発言であることは間違いないことではありますが、そこから派生して「そんな会長の下でのオリンピック開催はあり得ない」という論調まで出てくる始末です。果たして、そこを結び付けてオリンピックの開催の是非を考えるのは正しい思考回路なのでしょうか。その辺りを考えたいと思います。