SNSでの勧誘は周囲が気付きにくい
家族が悲しまないように注意すること

 コロナ禍で心に不安を抱える人は確実に多くなった。そしてその不安は、マルチ商法の沼にハマるきっかけとなる可能性がある。ズュータンさんも、改めて警鐘する。
 
「仕事や人生にやりがいを感じている人は引っかかりにくいかもしれません。ただ、どこか将来への不安や自分自身の存在意義に揺らぎを感じている人は、心のスキを突かれて傾倒することが多いといえます」
 
 ズュータンさんは、30~50代の専業主婦がマルチ商法にハマるケースをよく見てきた。ある企業の顧客データでも、この年代の女性が非常に多い。旦那さんが一人で家計を担う中、自分も「しっかりしなければならない」「良き妻でならなければならない」という思いが引き金になるという。
 
「しかもSNSなどのオンライン勧誘は、家族や友人が気付きにくいといえます。スマホを頻繁に触っているだけで、周囲の人がマルチ商法だと察知するのは難しいでしょう。だからこそ『自分の家族や友人に限ってそんなことはない』と思わないでほしいのです」
 
 彼のもとには、マルチ商法の体験談や相談が毎日寄せられているという。妻がハマって困っている30~50代男性の声も多い。少しでもそんな悲しみが減るよう、今後も情報発信をしていくという。
 
 マルチ商法は、ハマった当事者の人生を変えるだけでなく、周りにいる大切な人の人生も変えてしまう。コロナ禍でさらなる悲しみの連鎖が起きないよう、気を付けてほしい。