バレンタイン今年のバレンタインデーを「コロナ禍だから」と侮らないほうがいい?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

義理チョコから解放された女性たち、
残念がるおじさんたち

 私個人については、惨敗確定だと思っています。たぶん私だけではなく、そもそも2021年のバレンタインデーのチョコレート市場自体が、残念な結果に終わりそうです。

 思い起こせば昨年のニュースでは、バレンタイン市場が1310億円に増えて絶好調だったと報道されていました。新型コロナもなかったですし、バレンタインデーは金曜日でしたし、何よりラグビーワールドカップの盛り上がりを受けて職場は「ワンチーム」感が半端なかったわけで、義理チョコが飛び交っていたわけです。

 ところが、今年のバレンタインデーは緊急事態宣言中ですし、取材はZoomですし、バレンタインデー自体が日曜日ですし、何より世界中が盛り下がっているわけです。本日、2月12日の金曜日も完全リモートで外出はゼロ。2月14日までにチョコが私に到達するイメージがわきません。

 男性読者の皆さんにも自覚していただきたいので、はっきり述べますが、「日本の男性人口は6150万人だから、逆算して2130円のチョコがもらえなければ負け」だと私は考えています。昨年は金曜日の打ち合わせで2個、郵送で1個と、推定販売価格で2130円をギリで超えましたが、今年は無理でしょう。白旗です。

 さて、ここから気を取り直して、大きな話につなげていきます。今、日本の多くの職場では、義理チョコから解放されて喜ぶ女性たちと、残念がるおじさんたちの悲喜こもごもの人間ドラマが生まれています。たぶんマクロでもそうなるはずで、後々になって「2021年のバレンタイン市場は10%近く落ち込んで、1200億円に縮小しました」などというニュースが流れることは確実です。

 そもそも、女性たちが職場の同調圧力の空気から仕方なく義理チョコを配っていたのであれば、そこからの解放はありがたい話です。「もともと給料も少ないし」「非正規だし」「そもそも生活苦しいし」「世話になっているわけではないから」と、義理チョコ予算をばっさり削減する正当な理由は、山ほどあると思います。

 ただ、忘れてしまうといけないことが1つあります。ビジネスの世界で贈り物は意外と効き目があるということです。