昨今、友チョコが流行(はや)り、もはや女性から男性へ贈るだけのイベントではなくなったバレンタイン。一方で諸事情を鑑みて義理チョコを廃止する会社も増えてきている。会社でのチョコ事情、あなたの周囲ではどうだろうか。(取材・文/フリーライター 武藤弘樹)
“義理”の意味合いが強すぎる義理チョコ
女性社員を圧迫す
毎年やってくるバレンタインは一種のお祭りのようなもので、青春時代はあげるかあげないか、もらうかもらわないかにドラマがあった。厄介なのは義理チョコなる存在で、“義理”の定義が個人によってさまざまなので、あげる方ももらう方も戸惑うケースがある。それもまたドラマといえたかもしれない――少なくとも青春時代は、である。
義理チョコの厄介さは職場において格段に増す。本来の義理チョコといえば普段仲が良い相手やお世話になっている相手に親愛や感謝の情を示すためにあげるはずだったものが、「立場上世話になってはいるが、本当は世話になんかなりたくないし、世話してもらっている恩義も感じないし、なんなら嫌いな上司」にも義理チョコを一応あげておかないと後々面倒くさそう――と、まさしく仁侠渡世のような文脈の“義理”でチョコを渡すことを強いられる。そして「この人にあげるならあの人にもあげておかないと」と、義理チョコの面倒くささは無限に膨らんでいくのである。