プルデンシャル生命保険で「前人未到」の圧倒的な業績を残した「伝説の営業マン」である金沢景敏さん。営業マンになった当初はたいへん苦労しましたが、あることをきっかけに、「売ろう」とするのをやめた結果、自然にお客様から次々と「あなたからサービスを買いたい」と連絡が入るようになりました。どうすれば、そのような営業スタイルを作り上げることができるのか? 本連載では、金沢さんの初著作『超★営業思考』を抜粋しながら、その「秘密」をお伝えしてまいります。

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最速でテクニックを磨く「方法」とは?

 営業で最優先すべきなのは「母数」である――。

 僕はそう確信しています。いきなりテクニックを身につけようとするよりも、まずはアプローチするお客様の「母数」を最大化することに専念するほうがいい。

 テクニックは一朝一夕には高まりませんが、「母数」を増やすのは、努力さえすれば誰でもできること。そして、営業は「確率論」ですから、「母数」を増やせば必ず「結果」はついてくるのです。だったら、まずは「母数」を最大化することに専念するのが正解だと思うのです。

 しかも、実は、「量」をこなすことこそが、最速でテクニックを身につける方法でもあります。

 連載第4回で書いた、中学生のときに友達と街中でナンパしたときもそうでした。あのとき、僕たちは、街中の女の子に声をかけてポケベルの番号を教えてもらおうとしましたが、ほとんどの女の子は立ち止まってくれさえしませんでした。

 だから、僕たちは集まって「立ち止まってくれる女の子に共通点はないか?」「どう声をかけたら立ち止まってくれる?」「どんな風に話をもっていったら、番号を教えてくれる?」などと意見交換をしながら「ナンパ作戦」を立てましたが、ほとんど意味がありませんでした。そんな付け焼き刃の作戦が通用するはずがなかったのです。

 ところが、「ごちゃごちゃ考えるのやめよう」と開き直って、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」方式で声をかけまくっているうちに、だんだんと感覚が掴めるようになっていきました。

 パッと見た瞬間に、立ち止まってくれる女の子かどうかがわかるようになる。相手が返事をしやすい声のかけ方も、なんとなく身についてくる。その結果、成功確率が徐々に上がっていきました。みんなで集まって作戦会議をやるよりも、「量」をこなしながら試行錯誤をするほうが、「ナンパ」の上達スピードは確実に速かったのです。

金沢景敏(かなざわ・あきとし)
元プルデンシャル生命保険ライフプランナー AthReebo(アスリーボ)株式会社 代表取締役
入社1年目にして、プルデンシャル生命保険の国内営業社員約3200人中の1位(個人保険部門)になったのみならず、日本の生命保険募集人登録者、約120万人の中で毎年60人前後しか認定されない「Top of the Table(TOT)」に3年目で到達。最終的には、TOT基準の4倍の成績をあげ、個人の営業マンとして伝説的な実績を残した。
1979年大阪府出身。東大寺学園高校では野球部に所属し、卒業後は浪人生活を経て、早稲田大学理工学部に入学。実家が営んでいた事業の倒産を機に、学費の負担を減らすため早稲田大学を中退し、京都大学への再受験を決意。2ヵ月の猛烈な受験勉強を経て京都大学工学部に再入学。京都大学ではアメリカンフットボール部で活躍した。
大学卒業後、2005年にTBS入社。スポーツ番組のディレクターや編成などを担当したが、テレビ局の看板で「自分がエラくなった」と勘違いしている自分自身に疑問を感じて、2012年に退職。完全歩合制の世界で自分を試すべく、プルデンシャル生命保険に転職した。当初は、アポを入れようとしても拒否されたり、軽んじられるなどの“洗礼”を受けたほか、知人に無理やり売りつけようとして、人間関係を傷つけてしまうなどの苦渋も味わう。思うように成績を上げられず苦戦を強いられるなか、一冊の本との出会いから、「売ろうとするから、売れない」ことに気づき、営業スタイルを一変させる。
そして、1年目にして個人保険部門で日本一。また3年目には、卓越した生命保険・金融プロフェッショナル組織MDRT(Million Dollar Round Table)の6倍基準である「Top of the Table(TOT)」に到達。最終的には、自ら営業をすることなく「あなたから買いたい」と言われる営業スタイルを確立し、TOT基準の4倍の成績をあげ、個人の営業マンとして伝説的な業績をあげた。
2020年10月、プルデンシャル生命保険を退職。人生トータルでアスリートの生涯価値を最大化し、新たな価値と収益を創出するAthReebo(アスリーボ)株式会社を起業した。著書に『超★営業思考』(ダイヤモンド社)。