米アマゾンの創業者であるジェフ・べゾス氏が、同社の最高経営責任者(CEO)を退任することが発表された。世界的企業となったアマゾンはこれからどんな成長をもくろんでいるのか。これまでのアマゾンの経営戦略から、今後起こり得る変化について考えてみたい。(経済評論家 加谷珪一)
世界的なネット企業「アマゾン」を
アマゾンたらしめている二つの要因
米アマゾンの創業者であり最高経営責任者(CEO)のジェフ・ベゾス氏が、CEOを退くことになった。後任にはクラウド部門を率いるアンディ・ジャシー氏が昇格し、ベゾス氏は取締役会長として同社に残るが、経営実務の多くはジャシー氏に引き継がれる。
ベゾス氏は1994年にアマゾンをゼロから立ち上げ、26年かけて世界的なネット企業を作り上げた。次世代の中核事業であるクラウドサービスが稼ぎ頭に成長したことから、一つの区切りと判断した可能性が高い。後任CEOもクラウド部門を統括していた人物であり、今後の事業展開もクラウドがカギを握る。