ワークマン
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10期連続最高益を更新中のワークマン。「高機能・低価格」という4000億円の空白市場を開拓し、国内店舗数はついにユニクロを抜きました。「しない経営」「データ経営」で改革を実行した急成長の仕掛け人が、ワークマン専務取締役の土屋哲雄さんです。今回、土屋さんに「会社が成長するためには、上司はどのように意識を変えるべきか?」を直接、お聞きしました。全5回でお届けします。今回はワークマン流「しない経営」が最強である理由を解説してもらいました。(聞き手/ダイヤモンド編集部編集委員 長谷川幸光)

質問
Illustration by Wu-tang

ワークマンは戦わない
レッドオーシャンへは行かない

――土屋さんこんにちは。経営目標を達成するための手段として、「しない経営」と「エクセル経営」を実践していると聞きました。「しない経営」とはどういったものでしょうか?本当に何もしないのですか?

「しない経営」というのは、「何もしない」「まったくしない」という意味ではありません。「することを絞り込む」という意味です。

「しない経営」を可能にするために、戦略面においては、空白市場をポジショニングします。「ストラテジック・ポジションニング(戦略的ポジショニング)」という経営用語がありますが、ブルーオーシャンを探して独自のマーケットを切り開き、他社と競争をしなくても済むポジションに居座る。そしてそこに全社員をフォーカスさせるのです。「することを絞り込む」とはそういうことです。

 他社とやりあったって負けますから。我々は戦いません。ニッチでもいいので空白市場を選んで、社員が一番、力を発揮しやすいところにポジショニングします。

 レッドオーシャンには数多の競合相手がいます。100の努力で10の効果しかでません。それでは企業も社員も不幸になります。でもワークマンはそこへは行かない。ポジショニングさえ上手くいけば、100の努力で200の効果を得ることができます。

 100年に渡って競争優位を保つためには、1年や3年取り組んだところで全然ダメです。初めの5年や10年だってどうってことない。時間を無制限にかけて、確実にそのポジションを取るのです。