勝ち組の条件#02ほしの・よしはる/1960年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、米コーネル大学ホテル経営大学院修士課程修了。日本航空開発(現オークラニッコーホテルマネジメント)、シティバンクなどを経て、91年星野リゾート前身の星野温泉社長に就任。 Photo by Kazutoshi Sumitomo

新型コロナウイルス関連の倒産が最も多く、壊滅的な打撃を受けている宿泊業界。星野リゾートの星野佳路代表は、あえて「倒産確率30%」と社内に発信しているという。特集『ポスト「コロナ勝ち組」条件』(全18回)の#2では、星野代表にその真意と、コロナショックを乗り越える戦略を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 大矢博之)

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緊急事態宣言解除後の最新トレンド

──新型コロナウイルスの感染拡大で旅行・宿泊業界が大打撃を受けています。

 3月末に18カ月計画を出しました。コロナ禍はすぐに終わる話ではなく、18カ月は覚悟しないといけない。生き延びるためにどうすればいいのか考えてきました。

 自粛モードのおかげで感染者数が減って第1波が終息し、緩和期に入りつつあります。ゴールデンウイークという市場は失いましたが、夏休みという重要なシーズンの前に緩和期に入ったのは、旅行業界にとってプラスです。

 現在の18カ月計画は、平時と比べ売り上げが約3割落ちたと仮定し、先延ばしできるコストは先延ばしにして、コスト削減に政府の雇用調整助成金を活用する方針です。自粛と緩和を繰り返す社会の中で、年間の売り上げ3~4割減で生き延びる計画を立てています。

──足元の状況は。

 実際に、緊急事態宣言が解除された後のわれわれの予約状況をお見せしましょう。波がはっきりと見えています。