子どもたちの話を聴いていると「私はネガティブだから」とか「私はバカだから」などの自分に対する決めつけの表現を多く耳にします。「自分のことを好きになんかなれない」と嘆く子も1人や2人ではありません。

 子どもたちの多くは、マイナスな自分を一掃し、プラスだけの自分になれば、もっと受け容れてもらえると思っています。だから、いかにして、マイナスを隠すか、消してしまうかに敏感になっていました。隠す方法が違うと、現象として現れる行動も違ってきます(非行・自傷行為・思春期やせ症・不適応など)。

子どもの「問題行動」を正そうすることは正しいのか

 私の勤務校に限らず、今でも、多くの大人が、そういった「問題行動」を何とかしようとし、マイナスの部分を正そうとしていたり、心理に注目して心を癒そうとしています。ですが、この大人たちの大きな勘違いが、更なる周囲のミスアプローチを呼んでいるのです。

 行動を変えるために、説教をしたり、罰を与えたりする大人もいますが、一向に行動は変わりません。ことばがけを変えてみたり、優しく接してみたり、心を癒そうとしても、なかなかうまくいかないと感じている方は多いのではないでしょうか?

 私は、子どもたちが問題を抱えて来室したときは、「問題を成長に変えるチャンス」と考えるようになりました。保健室経営を根本から見直したのです。この方針に基づいて対応を変えたところ、起きている問題(実は現象)を引き起こした思考パターン、言語パターン、行動パターンを子ども自身が気づくことで、次に同じような状況になったとき、別の方法で対応できるという「成長」に変わるようになりました。