米長期金利の上昇は、パウエルFRB議長のかじ取りにどのような影響を与えるのか
米長期金利の上昇は、パウエルFRB議長のかじ取りにどのような影響を与えるのか Photo:Pool/gettyimages

 米国の10年国債金利(長期金利)は1.3%台へ上昇している(昨夏は0.5%台)。バイデン新政権の大型財政景気刺激策案がインフレ率を高めると警戒されているからだ。

 この財政拡張策に関してエコノミストの間で論争が起きている。少し前まで「低金利環境下では政府は債務を気にせず支出を増やすべきだ」と主張していた米ハーバード大学のローレンス・サマーズ教授が最近は、新政権の景気刺激策は「大き過ぎる」と指摘し始めている。米紙「ワシントン・ポスト」への彼の寄稿(2月5日)から引用してみよう。

 世界金融危機後の2009年の国内総生産(GDP)ギャップ(潜在成長率と実際の経済成長率の差)は、金額にして毎月800億ドル以上だった。それに対してオバマ政権は月300億~400億ドルの景気刺激策を実施した。

 一方、今年のGDPギャップは1月が500億ドルであり、今後は昨年暮れに米議会が決定した9000億ドルの救済策の効果もあって、12月には200億ドルに縮小すると議会予算局は推計している。それに対する新政権の財政刺激策案は毎月1500億ドル規模だ。

 また、コロナ禍前に半年で2.2万ドルの所得があった4人家族が収入を失った場合、従来の失業保険に加えてバイデン政権が提案している支援策により、半年で3万ドルを受け取ることができるという。