バイデン氏Photo:Win McNamee/gettyimages

1月5日の米ジョージア州の上院決選投票の連勝で、民主党が大統領と上下両院の主導権を握るトリプルブルーが成立した。バイデン新大統領は大型の追加経済対策など公約実現を進めやすい環境を得た。財政拡大を織り込み米国の長期金利は上昇したが、円の対ドルレートの反応は鈍く、ドル高に勢いはない。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

1.9兆ドルの経済対策を打ち出したバイデン新政権
10年国債利回りは1.1%台にまで上昇

 1月20日、バイデン氏が米国の第46代大統領に就任した。新政権の追加経済対策による財政拡大を織り込んで米国の長期金利の指標である10年国債利回りは上昇した。セオリーならドル高が進行する場面だが、ドル高に勢いはない。

 バイデン新大統領は公約をより実現しやすい環境を得た。民主党は1月5日のジョージア州の上院議員選挙連勝、2議席を得たことで上院でも主導権を得ることができた。上下両院の多数派を占める政党が異なる“ねじれ議会”を回避、大統領、上下両院の多数派をいずれも民主党が占める“トリプルブルー”となった。

 バイデン新政権は、大統領就任前に1人あたり1400ドルの現金給付を含む1.9兆ドルの追加経済対策を発表し、さらに2月以降インフラ投資など第2弾の対策を公表する予定だ。財政拡大を織り込み10年国債利回りは上昇した。1月初めの0.9%前後から1.1%台にまで水準を上げた。