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ソーシャルディスラプト最前線

スタートアップ業界の重鎮マイケル・アーリントン インタビュー「日本のスタートアップよ。革命を起こしに私のところに来ないか?」

岡本彰彦 [Recruit Strategic Partners, Inc. 代表]
【第2回】 2012年10月18日
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シリコンバレーはスタートアップにとってのハリウッドだ。
僕のところに来い!

岡本 あなたもその一部である、シリコンバレーのスタートアップをサポートするエコシステムが、ニューヨークやコロラド、それから世界に広がってきていると言われている。

アーリントン そんなことはない。こうした大きなテクノロジーカンファレンスはボストンやテキサスのオースティンでも開かれるが、これほどの人気はない。ハリウッドが南カリフォルニアにだけにあるのと同じだ。なぜなら、映画やテレビに出たければ、人々の方がハリウッドにやってきて、彼らがハリウッドに留まり、ハリウッドを形成するからだ。それと同じでシリコンバレーでは、カフェに行けば技術者に会い、旅行者に話しかければテクノロジーの話になる。そういうカルチャーがここにはあるが、世界のどこにもこんな場所はない。

岡本 なぜシリコンバレーなのか?

アーリントン シリコンバレーは歴史的にも移民に開かれ、自国では法的に、また人種的に、あるいは金銭的に起業に障壁のあった世界中の優秀な人々がここに集まり、起業した。

 シリコンバレーは場所というより、精神状態だ。ここでは、誰か高い集中力をもった起業家タイプの人間が起業のためにリスクを負おうとしているとき、彼が世界を変えるのを見たい、とリスクとリターンが合致していなくても一緒に苦難に耐え、応援する文化がある。とくにヨーロッパとは違い、アメリカでは起業家はヒーローだからだ。そして、ここは官僚的なものとは無縁だ。一生かけて探しても、他にシリコンバレーのような場所はない。だから、東京の起業家もシリコンバレーに来てほしい。ほとんどがそうしないし、これからもそうするつもりはないのかもしれないが……。なぜ彼らは国内市場ばかり見て、東京にとどまるのか。

岡本 ソーシャルゲームの分野では、既に日本の企業は世界を狙い出している。それ以外の分野では、まだリスクを取れる確信がないのではないか?

アーリントン 勝手な思い込みかもしれないが、日本文化はデザイン重視だと思う。東京は世界有数のファッション都市でもあるから、アニメやゲーム以外の分野でも面白いスタートアップがありそうだ。製品デザインは常に日本の得意分野でもあるし、もっと見てみたい。

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岡本彰彦
[Recruit Strategic Partners, Inc. 代表]

株式会社リクルートの投資会社であるリクルートストラテジックパートナーズの代表取締役として、コーポレートベンチャーキャピタルファンドを活用し、日本のみならず、北米、東南アジアをはじめとしたグローバルな投資·事業開発活動を推進する。現職就任以前は、銀行、ベンチャーキャピタル、証券会社などでストラクチャード·ファイナンスや新事業開発に従事した後、2007年にリクルートに入社し、主に同社住宅カンパニーにおける事業開発の責任者とブランドマネジャーを担当。

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Facebook、Twitterといった、いわゆる「ソーシャルネットワーク」が日々の生活にかかせないもの、あえて言えば"必須のインフラ"となったことで「ビジネス」の変化が急激に進んでいる。
電力インフラの整備が、モータリゼーションの加速が、パーソナルコンピューターの普及が、かつてビジネスの変化を決定づけたように、いま現在、「ソーシャル」はビジネスにどのような変化をもたらそうとしているのか?
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