会長交代が東京オリパラに与える影響とは?
東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京オリパラ)組織委員会の新会長に橋本聖子氏の就任が決まり、日本中を騒がせた騒動にひとまず決着がついた。
世間では、ジェンダー・イコーリティー(ジェンダー平等)の問題が今回の騒ぎのメインテーマのように受け止められている。もちろん、日本社会全体に明確に意識される大きなきっかけにはなっただろう。
一方で、本筋である東京オリパラに与えた影響を論じる発信は少ない。メディアでは依然として森前会長の影響力や“院政”を不安視する報道が目立ち、指摘が政治的な先入観に偏っているように感じる。
本稿では、問題のメインテーマに光を当て、今回の会長交代が東京オリパラに与える影響について、指摘したい。
橋本新会長は就任記者会見で、毅然とした表情で「コロナ対策の徹底」と「国民の理解を深めるための丁寧な発信」を約束した。これは、過去の責任者の誰もがしなかったことだ。