今国会は、相変わらず「新型コロナ対策国会」「野党によるスキャンダル追求国会」という様相で、そればかりがメディアに注目されている。しかし、その一方で、「コロナ禍」という惨事に便乗して、わが国の中小企業や社会・経済を大きく毀損するような法案が着々と準備され、順次国会に提出されている。(室伏政策研究室代表、政策コンサルタント 室伏謙一)
「わが国の社会・経済」を毀損する法案が
着々と国会に提出されている
1月18日に開会した第204回国会。国民、そして、メディアの注目を集めているのは、言わずもがなだが新型コロナウイルス感染症対応であり、急遽飛び出したオリンピック組織委員会の森喜朗会長の「失言」と辞任劇、さらには菅総理長男による総務省旧郵政系幹部接待問題である。
新型コロナウイルス感染症関連では、今国会の冒頭で審議された第3次補正予算案は、拙稿(『危機感不在の呆れた第3次補正予算案、菅政権「国民のために働く」はどこへ』)でも批判したとおり、新型コロナ対策に関する内容が非新型コロナ対策に関する事項に比べて大幅に少ないことが国会両院予算委員会で議論となった。
しかし、菅内閣は非常に歯切れの悪い答弁ながらノラリクラリとこれをやり過ごし、国民民主党は10万円の給付金を盛り込むことなどを内容とする組替動議を提出したが、これも否決された。「とにかくコロナ対策予算を」という認識が与野党問わず強かったのか、すんなり成立している。