「売ろう」とするから、
営業マンとして追い詰められる

 俺は何を間違えてるんやろ?

 そう問いかけるまでもなく、「答え」はほとんど明らかでした。

 後輩がクーリングオフしたのは、僕が強引に契約に持ち込もうとしたからです。TBSの同期が「どうして、あなたは同期に保険を売りつけようとするの?」となじったのも、僕の営業を批判する恐ろしく長いメールも、すべて同じこと。僕が、相手の都合も考えずに、自分の「保険を売りたい」という願望を押し付けていることに原因があるのは明らかでした。「売ろう」とするから拒絶されているのです。

 そして、僕に対する“義理”で契約してくれた人が、その知人を紹介してくれない理由も明らかでした。僕のように自分勝手な営業マンを紹介することで、その人との関係を傷つけるようなリスクは取りたくないからに決まっています。僕は、自分で自分の首を締めていたわけです。

 だけど、この「答え」を受け入れるのには勇気が必要でした。

 なぜなら、僕は“保険屋”であり、売上を上げなければ家族を養うことができないからです。

 売ろうとせずに、どうやって売るねん?

 多少強引でも売るしかないやん?

 だからこそ、僕は、それまで知人になじられても、営業手法を批判されても、「ドンマイ、気にするな。頑張って、売るしかないんや」と自分に言い聞かせてきたのです。そんな僕にとって、それまでの自分を否定することは、そう簡単なことではありませんでした(詳しくは、『超★営業思考』に書いてありますので、ぜひお読みください)。