お客様に認められるために、
日頃の「言葉遣い」を改める

 そして、まず言葉遣いから改めることにしました。

 日々使っている言葉が、僕の本音を表しているはずだからです。あるいは、日々使っている言葉に、僕の無意識が影響されてしまうということもあるかもしれない。心が言葉に表れ、言葉が心を作る。言葉を大切にすることが、“For me”に支配されている僕の心を変えてくれると考えたのです。

 例えば、営業マンは「契約を獲得する」という言い方をよくします。

 なかには、「仕込んでいる見込み客を刈り取る」などという言い方をすることもあると思います。僕も、営業マンになった当初は、深く考えることなく、そんな言葉遣いをしていました。

 しかし、これは“For me”を象徴する典型的な言葉遣いです。なぜなら、そもそも「契約」とはお客様のものだからです。お客様が、ご自分の人生や大事な人を守るために交わすのが「保険契約」なのです。

 にもかかわらず、「契約を獲得する」などと言うのは、まるでお客様から「奪い取る」かのようなニュアンスがあって、明らかにおかしな言葉遣いです。

 ましてや「刈り取る」などという表現は論外。そんな言葉を違和感なく使っている営業マンが、お客様の前ではマニュアル通りの「綺麗な言葉」を使ったところで、お客様からは「馬脚」は丸見えです。

 だから、僕は、このとき以来、いついかなるときでも、「お客様から契約をお預かりする」という表現をすることを徹底してきました。

 あくまで、「契約」はお客様のものです。それをお預かりするのが営業マンの仕事なんだと、僕はずっと自分に言い聞かせてきました。そして、少しずつ“For me”の思考法から離れることができるようになったと思っています。

「言葉」を変えれば、「心」が変わります。

 そして、「心」を“For me”から遠ざけることが、営業マンの成長を力強く後押ししてくれるのです(詳しくは、『超★営業思考』に書いてありますので、ぜひお読みください)。