ECBが「戦略的見直し」で
「グリーン資産」買い入れを検討
政策の枠組みの「戦略的見直し(Strategy Review)」を打ち出した欧州中央銀行(ECB)が量的緩和策のツールの一つである社債買い入れプログラムで、気候変動や環境問題への対応を進める企業の社債や環境債などの「グリーン資産」を優先的に購入することを検討している。
温室効果ガスの排出削減などに取り組む企業などの資金調達コストを引き下げ、低炭素社会への移行をサポートする狙いがある。
金融政策を通じて気候変動問題に対応しようとする「グリーン金融政策」はそれ自体が中央銀行の新たな試みといえるが、その背景には低成長・低インフレの下で大規模金融緩和が続き、その副作用や政策の行き詰まり感が強まっていることがある。
英国でもイングランド銀行の社債買い入れプログラムで気候変動に対応できるかを検討することが表明されており、先進国の金融政策の新たなツールになるのかどうか、議論の行方が注目される。