米国債市場の動きを受けたここ数週間の米国株の乱高下に、投資家はおそらく慣れておくべきだろう。新型コロナウイルス感染者数が減少し、何百万人もの米国人が毎週ワクチン接種を受け、政府の追加刺激策も実現しそうな中、今年の急速な経済成長を巡る期待感が高まっている。IHSマークイットによる1月初旬のエコノミスト調査では、2021年10-12月期(第4四半期)の米国内総生産(GDP)成長率は4%と予想されていた。足元の予想は5.5%となっている。一段と力強い景気見通しは企業の業績予想に好材料となるが、それは同時に長期金利も押し上げている。米10年債利回りは1.41%近辺と、年初の0.93%を上回る。景気見通しが改善すれば概して長期金利は上昇するため、これは異常なことではない。ただ、景気の回復初期に米国株がこれほど割高なのは珍しい。