「民族」は日本独自の概念!? 歴史から読み解く「ダイバーシティ」実現のヒント
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「民族を英語で何と言うのですか?」と問われると、多くの人は「ethnic group」や「ethnicity」と答えるかもしれない。 しかし世界の人々には、日本語の「民族」と同じ意味としては通じないことが多い。実は、日本語の「民族」にぴったりな言葉は英語に存在しないのである。「ダイバーシティー」(多様性)の重要性が叫ばれる中、「民族」という概念について十分に理解して、社会や組織のダイバーシティーについてあらためて考えてみよう。(神戸情報大学院大学教授/国際教養作家・ファシリテーター 山中俊之)

「民族」は
日本独自の概念!?

「日本人、韓国人、ベトナム人、フランス人など、世界にはいろんな民族がいる。もちろん複雑な民族問題を抱える国もある」――。

 これを聞いて、違和感を持つ人はいないだろう。日本人にとって「民族」とは、さして難しくない、当たり前の概念であるかもしれない。しかし、「民族」という概念は、必ずしも世界で共有されていない。そもそも「民族」という日本語に、ぴったりとはまる英語がないのである(詳細後述)。

 新型コロナウイルスの感染拡大によって今は休止状態とはいえ、コロナ禍が終息した後は、ヒト、モノ、カネが大きく動くグローバル化が再び進んでいくであろう。

 グローバル化によって「ダイバーシティー」の重要性が叫ばれる中、「民族」という概念について十分に理解して、社会や組織の「民族」面でのダイバーシティーについてあらためて考えることは、とても重要になってきている。

「『民族』を英語で何と言うのですか?」と問われると、多くの人は「ethnic group」や「ethnicity」と答えるかもしれない。

 実は、英語で「ethnic group」や「ethnicity」と言っても、世界の人々には日本語の「民族」と同じ意味としては、通じないことが多い。