岩手県の沿岸部を南北に走る三陸鉄道は、東日本大震災による地震と津波により壊滅的な被害を受けた。それからの10年をいかにして乗り越えてきたのか。同社社長の中村一郎氏が、ダイヤモンド・オンラインに緊急寄稿した。

東日本大震災で
317カ所に被害

写真:三陸鉄道,運行再開
東日本大震災から約3年後の2014年4月、全線での運行再開を果たした 写真提供:三陸鉄道株式会社

 岩手県の沿岸部を縦断して走る鉄道が、「三鉄(さんてつ)」の愛称で親しまれている三陸鉄道です。1984年4月1日、旧国鉄の特定地方交通線から転換した鉄道としては全国初の第三セクター鉄道として、JR山田線(宮古~釜石間)を間にはさみ、宮古~久慈間の北リアス線(71.0km)と盛~釜石間の南リアス線(36.6km)の2つの路線でスタートしました。

 2011年3月11日、東日本大震災による最大震度6弱の揺れと津波により、海辺を走る三陸鉄道は壊滅的ともいえる被害を受けました。

 地震が発生した時には、南北リアス線ではそれぞれ1両の車両が運行中でした。幸い乗員・乗客に被害はなかったものの、橋梁や駅施設の流失など、被害箇所は両線合わせて317カ所にも及びました。