東日本大震災から9年
地震は極めて甚大な災害
世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの「パンデミック」宣言を行った3月11日に、日本では東日本大震災から9年の節目を迎えました。もともと日本は世界で群を抜く地震多発国ですが、東日本大震災がきっかけになって日本の大部分の活断層は活発に動き出す時期に入ったとみられています。実際、震災後に起きたマグニチュード3~6までの地震の数は震災前の5倍に増えています。
1998年から2017年にかけて、世界中で起こった自然災害の内訳をみると、発生件数では洪水が43%でトップ。次いで台風が28%、地震は8%の3番目です。しかし死亡者数の内訳をみると、地震が56%(75万人)でトップとなります。その次が台風の17%(23万人)、熱暑の13%(17万人)、洪水の11%(14万人)と続きます。
自然災害による経済的な損失は、9割以上が台風、地震、洪水の3つの災害によってもたらされます。中でも地震は、経済損失と人的被害の面で極めて甚大な災害であることが浮かび上がります。他の災害と比べ、発生回数そのものは多くはありませんが、ひとたび発生した時の被害がとにかく大きいのです。