株式市場はエキサイティングだ。金融ジャーナリストにとっては特にそうだろう。だが、それより大きな影響と、さらに大きなリスクがあるのは、株式市場より規模が大きく動きの遅い市場――不動産だ。新型コロナウイルスの感染拡大後に価格が下落した住宅市場を探すのは容易ではない。それどころか、多くは10年超ぶりの大幅な上昇となっている。最新動向はニュージーランド不動産協会が11日に公表した統計で明らかになった。2月の住宅価格は前年同月比21.5%上昇と好調ぶりが示された。不動産は通常、経済とりわけ家計において、最大の富の源泉となる。クレディ・スイスのグローバル・ウェルス・リポートによると、資本市場が大きい米国でさえ、不動産資産(主に住宅)は成人1人当たり4万4349ドルに上り、債券や株式などの金融資産の3万4008ドルを上回る。