「真面目に頑張っているのに認めてもらえない」「良かれと思ってしたことが喜んでもらえない」…仕事をはじめ、あらゆる場面で気をつかってしまう人は、こういった悩みを抱える傾向があります。しかし、それは本人の心の問題にあると心理学者の加藤諦三さんはいいます。本人は「相手のため」と思って気にかけているつもりでも、結果的に「自分の心を癒やすため」になっていることに気がついていないのです。そこで今回は、加藤さんの著書『他人に気をつかいすぎて疲れる人の心理学』(青春出版社)から、「相手のために」と思って努力する人が抱えている心の呪縛について解説します。
努力しても報われないのは「努力の動機」に原因がある
仕事で努力の動機を間違えると何事もうまくいかない。成功して自惚れる人は劣等感から努力しているから嫌われる。
たとえば、成功してまずでしゃばりになる。自分の立場を間違える。そういう人は努力するけれども嫌われるだけである。努力するけれども社内に味方ができない。本人は「オレがこんなに努力しているのに……」と不満になるが、周囲の人は「あいつは勝手なことばかりして」と思っている。