近年、認知度が高まっているワード「自己肯定感」。特に、日本人は自己肯定感が低い傾向があるといわれていますが、自己肯定感が低い人は、「自分が周囲からどう思われるか」を優先して考えるあまり、相手とのコミュニケーションにつまずいたり、自己嫌悪に陥ってしまうケースが多いといいます。そこで今回は、自身も自己肯定感の低さを自覚しながら、それを受け入れて成果を出してきた経営コンサルタント・午堂登紀雄さんの新刊『“自己肯定感”のスイッチが入る!自分を受け入れる力』(青春出版社)から、自分が辛くならない他人との距離感や考え方を紹介します。
「気を遣っても感謝されない」の背景にあるもの
これを言ったら嫌われるのではないかと思って言えない。これを聞いたら相手は気分を害すのではないかと聞けない。周りに嫌われないようにするために、みんなの気持ちを汲まなければならない。言いたいことを言えない。そうした不満はどんどん蓄積していきます。
そのような我慢が報われるかというと、ほぼ報われることはありません。相手に合わせ、我慢に我慢を重ねてきたのに、相手は期待通り動いてくれるわけではない。「こんなに努力しているのに」と、その落胆は大きなストレスとなって心をむしばむ。そして、何も残らない。自分を犠牲にしても、他人はあなたから良くしてもらったとは感じない。あなたが自分を犠牲にして自分に尽くしてくれたとは思わないのです。