大丸、松坂屋、パルコを手掛ける
J. フロントがワースト1位

 ワースト1位となったのは、百貨店「大丸」「松坂屋」やショッピングセンター「PARCO(パルコ)」、そして「GINZA SIX」などを運営するJ. フロント リテイリングだ。

 期初には2020年度通期の純利益を50億円の黒字と予想していたが、186億円の赤字に修正。修正率はマイナス472.0%となっている。新型コロナウイルスの感染拡大によって大丸や松坂屋、パルコなどが長期間に及ぶ休業や時間短縮営業に追い込まれた悪影響が色濃く反映された。

 J. フロント リテイリングは、役員報酬の減額・返納に始まり、百貨店事業を中心にコストカットを徹底。「あらゆる経費項目をレビューし経費管理を徹底するよう」経営から指示を出しているという。そのかいあって、直近の20年度第3四半期(9~11月)の純利益は、第1~2四半期で続いていた赤字から黒字に転換することができた。

 ただ、その後にコロナ感染者が急増し、緊急事態宣言が再発令されている。同社が発表している月次情報の数字を確認しても、20年12月~21年2月における百貨店・パルコ事業の売上高増減率は、前年同月比で2桁のマイナスが続いている。第4四半期(12~2月)での大きな挽回はかなわなかった公算が大きいだろう。

ワースト10のうち2位、7位に
地銀がランクイン

 純利益下方修正率ランキングのワースト2位は、地方銀行のきらやか銀行(山形県)と仙台銀行(宮城県)を傘下に持つ、じもとホールディングス(HD)がランクインした。

 期初に20年度通期の純利益を17億円の黒字と予想していたが、20年11月20日の20年度第2四半期決算の発表時に、傘下のきらやか銀行において43億円超に上っていた有価証券評価損を全額処理する方針を公表。その結果、じもとHDは予想純利益を30億円の赤字へ修正し、修正率はマイナス276.5%となった。

 さらに同日、じもとHDは、地銀再編の「台風の目」となっているSBI HDから35億円の出資を受け入れる資本業務提携を発表している。

 なお、ワースト7位には同じ地銀の百十四銀行(香川県)もランクインしている。じもとHDは第二地銀という相対的に小規模な銀行の連合であるのに対して、百十四銀行は地元のトップバンクだ。ただ純利益の下方修正に陥った構図は同じで、有価証券の評価損の処理によるものだ。

 期初には20年度通期の純利益を40億円と見込んでいたが、20年10月に5億円への下方修正を発表している。修正率はマイナス87.5%だ。

ワースト3位は三菱ケミカル
コロナ禍による薬の開発遅延で減損損失

 ワースト3位には、化学大手の三菱ケミカルHDがランクインした。コロナ禍によってパーキンソン病治療薬の開発に遅れが生じて事業計画を見直した結果、関連する無形資産において845億円もの減損損失を計上することになったことが大きく響いた。

 期初には20年度通期の純利益を490億円の黒字と予想していたが、20年11月に590億円の赤字に転落するという業績予想の下方修正を発表。その後、21年2月には業績の上方修正が入ったものの赤字転落は免れず、予想純利益は480億円の最終赤字となる見込みだ。その結果、修正率はマイナス198.0%となった。

 なお、今回のランキングの完全版では、11位以下も含めた全94社それぞれの「純利益下方修正率・予想増益率・予想純利益」を掲載している。ぜひ確認してみてほしい。

Key Visual by Kanako Onda

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