新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの供給を巡り、欧州連合(EU)と英国が対立している。この反目は、自国のワクチン確保の問題が、いかにして米国の同盟諸国間の争いにつながるのか、また国際的サプライチェーン(供給網)が寸断されている状況でワクチン普及がいかに難しいかを示している。加盟諸国がワクチン普及キャンペーンでつまずいているEUと、昨年EUを離脱した英国との間で緊張が高まってきている。英国は全国民の40%以上に少なくとも1回のワクチン接種を終えており、世界で最も迅速に接種が進んでいる国の1つとなっている。EUと英国の高官は今週、オランダの工場からのワクチン供給を巡り、紛糾の激化を回避するため協議を行っている。当局者によれば、この争いはすぐにも、英EU間での相互のワクチン及びワクチン原料の輸出禁止につながりかねないという。