>>(上)より続く

探偵業界あるある(2)
「成功者が不貞をする時は意外と○○○○!」

 経済的に余裕がある成功者は不倫している確率が高いです。金銭的にも精神的にも余裕があるため女性にモテます。そして自分に常にミッションを与えていたいので、新しい女性を落とすことを課しているのかもしれません。さらに、成功者の不貞には、思わぬ共通点もあります。

 一代でIT企業を築き上げた社長の例です。

 依頼者の奥さんより、旦那が浮気をしているようだとの不貞調査の依頼がありました。しょっちゅう出張に行っていたものの、土日を挟む出張は今までなく、「これはおかしい」とにらんだ奥さんが依頼してきました。

 自宅より対象者を尾行すると、成田空港へ直行しました。成田空港で女性と合流、人目もはばからず5分ほど濃厚なキス。チェックイン後、マクドナルドで食事しながら、お手製らしい旅のしおりを彼女に見せて、旅の行程を説明していました。「バリ島」という言葉が会話では頻繁に出ていて、彼女はカバンから「地球の歩き方 バリ島編」を取り出していたので、バリ島に行くことは間違いなさそうでした。

帰りの便がいつだか分からない!
対象者の意外な行動とは

 探偵は不倫で海外に向かう対象者を追いかけることもあるので、パスポート、現金、クレジットカードを持ち歩いています。成田発バリ島行きの便を調べたところ、1時間後に出発予定で、帰りの便を調べると、週明けの出社に間に合うような便が見つかりませんでした。

 依頼者と連絡を取り、「帰りは別の国を経由して帰ってくるのでは?」という結論にいたりました。2人が日曜日の夕方に成田空港の到着ゲートで待ち受けたいが、到着時間は分からないと困っていたところ、私は対象者のとある行動を見逃しませんでした。

 対象者は、出発ゲートに消える直前、ゴミ箱に証拠隠滅のためなのか、手製の旅のしおりを捨てました。すかさずゴミ箱から手製の旅のしおりを回収すると、帰りの便は関空であることが分かりました。成田空港で張っていたら不貞旅行から帰ってくる証拠を撮影することができないところでした。

 搭乗ゲートを潜ったあとにゴミ箱に捨てられたら、手製の旅のしおりを手に入れることはできませんでした。対象者の大雑把な性格が災いしました。