コロナ禍で拡大した「返さなくてOK」な奨学金制度とはこれから大学などへの進学を希望している高校生も、入学金の免除や授業料の減額、「返さなくてもいい」給付型奨学金、「無利子」の貸与型奨学金などでの支援を受けられる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

コロナ禍の影響で学費や進学への不安を抱える学生が急増しています。そんな学生たちのための新たな制度や支援策が続々登場している「奨学金」。奨学金は、返還が大変というイメージがありますが、中には「返還しなくてもよい奨学金」や「無利子で借りられる奨学金」などもあり、制度や仕組みを知っていれば賢くお得に利用することができます。そこで今回は、ファイナンシャルプランナー・竹下さくらさんの新刊『緊急対応版 「奨学金」上手な借り方新常識』(青春出版社)から、新たに拡充された奨学金の新制度について解説します。

授業料も入学金も支援してもらえる新制度がスタート

 大学や専門学校への進学を希望する高校生にとって、気になることのひとつが「お金」のこと。とくに、新型コロナウイルス感染症の影響などで自分の家庭の収入が激減してしまい、「大学に合格しても、とても授業料を払い続けることができそうもない」と進学をあきらめかけている人もいるかもしれません。

 そんな人たちに向けて、文部科学省は2020年5月に「学生の“学びの支援”緊急パッケージ」を新設しました。大学などに進学して「学びたい」という意欲ある高校生が、「お金」のことで進学を断念することがないように、国が後押しする新しい取り組みです。

 もともとは、すでに大学などに進学している人が、新型コロナウイルス感染症の影響などでアルバイトができなくなったり、家計が急変したりしたことが理由で「授業料を払えない」「大学を中退するしかない」となってしまうのを救済する「緊急」支援ですが、2021年度も継続しています。