2020年6月に東証マザーズに上場し、デザインカンパニーとして初の上場を果たしたグッドパッチ。「デザインの力を証明する」をミッションに掲げ、ソフトウェアやアプリケーション、サービスなどのUI/UXのほか、組織やビジネス自体の「デザイン」を行ってきた今、もっとも勢いのあるデザインカンパニーである。そのようなグッドパッチの感性あふれるデザイナーたち(新卒社員全員がトピック集めから執筆を担当)の間で3月に話題になった、アプリ、サービス、デザインをご紹介しよう。
(1)Zoomとはひと味違う!?
新感覚ビデオ会議ツール「Around」が話題
米国のスタートアップ企業、Teamportが2018年にローンチしたビデオ会議ツール「Around」が、米国のSNSを中心に話題になっています。
丸く切り取ったウインドー内に参加者を表示するなど、参加者の顔を過度に大きく映すことや、部屋の背景の映り込みを避けながらも最低限、表情や雰囲気がほかの参加者にわかるよう工夫されたカメラの表示方法だったり、相手の画面を代わりに操作できる「スクリーンシェア」機能だったりと、その考え抜かれたユーザビリティーの高さが特徴です。
Zoomなどの類似ツールでは、参加者がお互いの顔を見ながら会話ができるという価値に重きを置いていますが、Aroundは、よりプライバシーを尊重し、参加者による共同作業に適した機能を用意するなど、これまでのビデオ会議ツールで見過ごされてきた、「小さな工夫」が設計されていることが支持される要因となっているようです。
コロナ禍の影響が長引き、多くの人々がビデオ会議に慣れるなか、人々がビデオ会議ツールに求めることが変化しつつあります。こうしたユーザー志向の変化は、既存のサービスとは一味違ったユニークなツールが台頭するきっかけとなりそうです。