アップルがキングコング、フェイスブックがゴジラだとして、この2匹の怪獣が死闘を演じるなら、小規模なオンラインショップの経営者らは、自分たちが怪獣に踏みつぶされそうになって叫び、逃げ惑う市民になってしまうのではないかと懸念している。問題になっているのは、iPhone(アイフォーン)とiPad(アイパッド)の基本ソフト(OS)に関する、一見すると小規模な改変だ。この変更は、こうした機器の利用者が機器内のアプリによって追跡されるのを容認するか拒否するかを選択できるようにするもので、オンライン広告業界の過去10年の慣行を覆す影響を持つ。アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、現在進行中のこのiOSのアップデートは利用者のプライバシーを尊重する取り組みだと述べている。フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは、こうしたアップルとクック氏の動きについて、従来は広告主とデータブローカーが広く利用できる状態にあったデータを、管理下に収めようとする権力掌握の試みだと非難している。フェイスブックは、アップルのOS改変によって最も大きな打撃を受けるのは中小事業者だとする広告キャンペーンを開始した。フェイスブックのソーシャルネットワーク上の1000万以上の広告主の大半が、こうした中小事業者だ。