日本の医療費は、原則的に検査や手術など実際に行った診療行為を積み上げて決まる出来高制だ。入院も1日あたりの単価に入院日数をかけて計算するので、以前は入院が長引くほど病院の利益も増えるようになっていた。

 しかし、医療費を削減したい国は、平均在院日数の短縮化を打ち出し、いつまでも患者を入院させるのではなく、手厚い医療体制をとって、早く病気を治して患者を退院させたほうが病院の利益が増えるような政策誘導を図ったのだ。

入院して2週間たつと
診療報酬がガクンと下がる

 現在、入院の基本的な費用は、医療機関がどれくらい看護師を配置しているかによって異なる仕組みになっており、手厚い医療体制をとっているほど、高い診療報酬になる。

 具体的には、1人の看護師が受け持つ入院患者が7人、10人、13人、15人という区分によって入院の医療費は異なり、いちばん手厚い患者7人に対して看護師1人(7対1入院基本料という)の場合、1日あたりの入院基本料は1566点(1万5660円)だ。さらに、入院日数によって、次のような加算がある。

●1日あたりの入院基本料
 (患者7人に対して看護師を1人配置している一般病棟に入院した場合)
  ・ 1~14日 450点加算 ⇒ 1日2016点(2万160円)
  ・15~30日 192点加算 ⇒ 1日1758点(1万7580円)
  ・31~90日 加算なし   ⇒ 1日1566点(1万5660円)

 入院して最初の2週間は高い診療報酬がつくが、段階的に引き下げられ、30日を超えると加算がなくなる。さらに、難病患者やがんの治療で重い副作用が出ているなど特別な事情がないのに、91日以上の長期入院をしている場合は、1日あたりの入院費が939点(9390円)に引き下げられるというルールもある。