【シンガポール】ミャンマーの銀行支店は閉鎖され、政府職員は仕事をボイコットしている。工場労働者は地方の実家へ逃げだし、外資系企業は駐在員を出国させた。インターネットはほとんど遮断されたままだ。  ミャンマー軍がクーデターで全権を掌握し、抗議行動の抑圧に乗り出してから2カ月余り。同国経済は崩壊状態にある。世界銀行などは今年の国内総生産(GDP)が2桁のマイナス成長になると予想している。こうした激変は、ミャンマーが取り組んできた貧困削減の大きな進歩を帳消しにし、この10年間に国内経済の底上げに貢献した外国企業や観光客を脅かし、遠ざけている。