絶対に近寄ってはいけない「4つの金融の儲け」、投資家を狙う落とし穴とは?Photo:PIXTA

読者自身が今後もうけるため、あるいは、悪い金融話に引っ掛かって損しないようにするために、本稿では典型的な「金融のもうけ」の4パターンを見てみよう。それらがはらむリスクや不利について、投資家は気がつかない場合が少なくない。大いに気をつけて、遠ざかる心構えを持ってほしい。(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

悪い金融話に引っ掛からないように
遠ざかるべき「4パターン」

 新型コロナウイルスによる危機に対応した金融緩和と財政出動を背景として、株式などの資産価格が高騰。あちこちにお金持ちが生まれている。コロナは間違いなく貧富の格差を拡大している。

 ただしお金持ちの中には、株式を大量に保有する創業経営者のように、もともと資産があってその資産が膨らんだ「自然なお金持ち」も存在する。一方で、先頃破綻して内外の金融機関に大きな損をもたらすことになった米ファミリーオフィス(個人の資産運用会社)のアルケゴス・キャピタル・マネジメントのような、関わると「実は危ないお金持ち」も混じっている。

「危ない」の中には、「市場のリスク」が危ない場合もあるし、法的・倫理的にスレスレの、「危ない」よりも「汚い」に分類したくなるようなリスクもある。そして、金融的なもうけにはいくつかの典型的なパターンがある。

 はっきり言って、もうかる投資先を次々と当てて連戦連勝するような「相場の当たり」を続けて大金持ちになる人はごく少ない。集中投資がたまたま当たり、それを長期にも保有することになった創業経営者のような「幸運な人」が時々存在する程度だ。それ以外の金融のもうけは、よく見ると意外にチープな仕掛けから生じている。

 読者自身が今後もうけるためでも、あるいは、悪い金融話に引っ掛からないようにするためでもいいのだが、本稿ではいくつかの「金融のもうけ」のパターンを見てみよう。