米アラスカ州アンカレジで先月行われた米中高官会談で、すぐに明らかになったことがある。中国の習近平国家主席の外交使節団が会談の場に持ち込んだものが、和解の象徴であるオリーブの枝ではなく、新たな世界観だったということだ。  米バイデン政権の当局者らが予想していたように、外交政策トップとして習氏を支える楊潔篪(よう・けつち)共産党政治局員と王毅外相という中国側カウンターパートはこの初会談で、トランプ政権時代の中国を標的とした政策の転換を求めた。アラスカ会談の内容を知る米中の当局者らによれば、中国政府は、定期的な「対話」の場を復活させたいと考えていた。