イランの核交渉を担当するアッバス・アラグチ外務次官は13日、ウラン濃縮度を初めて60%にまで引き上げる作業を開始する方針を明らかにした。イランの核兵器開発抑止に向けた協議の先行きに新たな懸念が生じている。  イランのウラン濃縮度はこれまで20%が最高だったが、引き上げにより兵器級の濃縮度の達成に近づくことになる。兵器級に必要な濃縮度は90%程度だ。  アラグチ氏は2015年のイラン核合意を巡る協議のためウィーンに滞在中で、協議には当事国のイラン、ロシア、中国、フランス、ドイツ、英国が参加しているほか、18年に合意から離脱した米国の代表も現地入りしている。