電気自動車(EV)など現代テクノロジーに不可欠な物質の中国支配に対して、欧米では官民あげて対策を強化している。その物質とはレアアース(希土類)、そしてそれから作られる磁石だ。だが、政府支援を得ようと争う多くの企業にとって、中国のレアアース磁石業界と競うためのサプライチェーン(供給網)確立は困難な道だ、とアナリストや企業幹部らは口をそろえる。レアアースの鉱物で作られた強力な磁石は、EVのモーターや風力タービンなどの技術に欠かせない。アナリストによると、世界のレアアース埋蔵量の7割以上が中国で採掘されており、レアアースを磁石に加工する複雑なプロセスの9割を同国が担っている。こうした支配的な立場は、急成長するさまざまな技術を手掛けるメーカーへの影響力を中国に与えている。
中国のレアアース支配いつまで 苦戦する欧米
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