世界の外貨準備に占めるドルの割合は昨年、1990年代半ば以来の低水準に落ち込み、世界のトップ通貨としての役割が脅かされているとの議論が再燃している。だがドルの重要性に関し、外貨準備の数値は状況を完全に描き出してはいない。ドルに対する需要を幅広く見渡せば、その役割への大きな脅威はまだないことが分かる。国際通貨基金(IMF)の四半期データによると、外貨準備にドルが占める比率は1995年以来初めて60%を割り込んだ。ユーロは21.2%と6年ぶり高水準、円は20年ぶり高水準の6%となった。その理由の一つは、単純かつ自動的なものだ。昨年はドルが下落したため、複数通貨のポートフォリオにおける非ドル資産の価値が上昇した。IMFのデータでは、能動的な売買よりそちらのほうが、各四半期の最も大きな要因となることが多い。
ドルの「王座」安泰、外貨準備の比率低下でも
外準に占める比率は25年ぶり低水準
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