銀行にとって、消費者が潤沢な現金を保有し、借金の返済を滞納しそうもないというのは朗報である。だが逆に言えば、消費者がもっと借り入れをする必要が出てくるのは、まだ当分先の話ということだ。低金利の影響と、バランスシート上の現金への大量の預金流入を相殺するため、銀行はローンを伸ばすことを必要としている。2020年は消費者が買い控え、借金も返済したため、多くの銀行でクレジットカードのポートフォリオが縮小した。理論上は、今年予想されている経済成長により、消費者や企業の活動が活発になり、その資金を調達するためにクレジット取引の利用が増えるはずだ。銀行の顧客の支出は確かに増加している。バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)によると、全体的な個人消費は1-3月期(第1四半期)、同行として過去最大を記録した。その増加分のほとんどは依然としてデビットカードによるもので、カードローン収支には計上されない。だが今年の1-3月期は2019年同期と比べ、クレジットカードによる支出が増えた。JPモルガン・チェースは、旅行・娯楽関連の支出ですら3月は前月比50%増加したとしている。シティグループによれば、旅行や食事などの分野で回復が見られた。