ダメ飲食店から脱却するには、割引クーポンに頼らずに、売り上げを減らしてでも利益を増やす集客方法を考えることです。

 例えば、割引クーポンは利益を削ってしまいますが、「クーポン提示でデザート1品サービス」というような、何かをおまけするクーポンであれば来店動機を高めると同時に、通常価格だと「高くて損をした」と感じてしまう「内的参照価格」を下げない効果もあります。

 また、看板メニューを作ることも大切です。店独自の名物メニューがあれば、他の店では食べられないので、少しくらい高くてもわざわざ食べに来てもらえます。ただ、ゼロから看板メニューを作り出すのは難しいので、店の人気メニューの中から候補を見つけ、原価を上げるなどしてお客の満足度を高めていくのがコツです。

 最後に、飲食店は接客業。接客を良くすることも重要です。「味は普通だったけど、店員さんの接客が良かったのでまた来ようかな?」という経験がある人も多いのではないでしょうか。

 リピーター客を増やすために接客を良くすることは簡単にできるわけではありませんが、お金をかけずに今日からすぐに実行できるのがメリットです。

 繰り返しになりますが、経営の苦しい飲食店では「売り上げを増やすよりも、まずは利益を増やすこと」が重要です。

 商売の格言の「損して得取れ」は「初めは損をしても、それをもとに大きな利益を得るようにせよ」という意味。そう考えると、割引クーポンは正しいように思えますが、損を続けると大きな利益を得る前に店がつぶれてしまいます。長期的に店が生き残ることをしっかり意識していただければと思います。