1999年に登場して以来、爆発的に流行した対戦用コマ「ベイブレード」。アメリカでは世界大会も開催され、2021年時点でも新製品が販売されている。筆者が暮らすイスラエルでもベイブレードを知らない人はいないほど人気がある。以前にも市内のマクドナルドに立ち寄った際に、ハッピーセットのおまけがベイブレードだと知って大変驚いた覚えがある。実は、ユダヤ人とコマは2100年以上の深いつながりがあることはあまり知られていない。今回はそんなベイブレード人気と、イスラエルとコマの切っても切り離せない関係について、解説したい。(イスラエル国立ヘブライ大学大学院・総合商社休職中社員 徳永勇樹)
イスラエルにおける
ベイブレード
イスラエルでのベイブレードブームを生み出したのはアニメだ。2002年にイスラエルのテレビ局で放送されるや否や瞬く間に子どもの間で大人気に。筆者の友人のイスラエル人は、ベイブレードをきっかけに日本の文化に興味を持ったという。
彼はベイブレードの魅力についてこのように語る。
「ベイブレードには本当に熱中していたよ。僕が小学生だった頃、公園の円形の水飲み場をスタジアムに見立てて日が暮れるまで遊んでいたよ」