銀行や小売業といった景気循環型銘柄を中心に、決算シーズンは素晴らしいものになりそうだ。問題は、市場は既にその先に向かっているかもしれないということだ。米国経済は新型コロナウイルスの危機から脱却しつつあるため、ほとんどのアナリストは第1四半期の業績は好調になると考えていた。だが今のところ、その好調をはるかに上回る結果となっている。ファクトセットによると、16日までに発表されたS&P 500種構成企業の利益は、合計で市場予想を30%上回っている。過去5年の平均は7%だ。今回の決算シーズンがこの傾向のまま推移すれば、過去最高の数字となる。最も大きなサプライズをもたらしたのは、ウォール街の大手銀行だ。大手銀行は優良企業の中で最初に決算報告をするが、モルガン・スタンレーは投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントの問題に絡む9億1100万ドル(約990億円)の損失は出たものの、その影響をものともせず、住宅建設会社のレナーなどの消費財関連企業と同様に好調だった。