緊急事態宣言下、なかなか外出しづらいゴールデンウイークになってしまいそうだ。とはいえ、近所であっても服装を選ぶことは気の張りにもつながる。ほどよい緊張感を持ってファッションと向き合うことが、現代の中年男性にも求められているのではないか。(フリーライター 武藤弘樹)
次々に襲い来る心身の変化
これを読めば気持ちだけでも「ファッションリーダー」
中年男性は“おしゃれ迷子”になりがちだ。体形やライフスタイルの変化にともなってそれまで好んでいたファッションがしっくりこなくなり、途方にくれてしまうという人が多いようだ。
中年男性は女性に比べてファッションへの関心が低く、ただでさえ“おじさん”というだけで、いまわしい存在として扱われがち。アラフォー男性がおしゃれであるためには、意識を一層高く持って取り組まねばならないだろう。
筆者も満40歳だが、アラフォーになると、体にさまざまな変化が起きる。大なり小なり老化のサインが表れてきて、いやでも「おじさん」になったことを思い知らされるのである。
ただ、老いを受け入れ、それとどう向き合うかでその人のかっこよさが出てくるものであろう。もちろん、老いに逆らい、「俺はまだ若いぜ、気持ちは20代だぜ!」と叫び、「NO FUTURE」などとプリントされたTシャツに身をやつして、深夜バイクをかっ飛ばすおじさんも止めはしない。しかし、老いをうまく利用することで到達できる、おじさんならではのイカした境地もある。
なお断っておくが、本稿はファッション誌にあるようなコーデを紹介することがメインではない。趣旨は「心意気がおしゃれを作る」という、ともすれば怪しげな精神論であり、それを追求していく。下手をすると、読み終えたら、服を一枚も着替えずしてファッションリーダーに生まれ変わっているかもしれない。それくらい“心構え”に寄った話であることをご承知おき願いたい。