リモートワークが長期化している今、わかりあえない上司と部下の「モヤモヤ」は最高潮に達しているのではなかろうか。さらに、経営層からの数字のプレッシャーが高まる一方で、
「早速夜更かししそうなくらい素晴らしい内容。特に自発的に動かない組織のリーダーについてのくだりは!」
「読み始めていきなり頭をパカーンと殴られた。慢性疾患ってうちの会社のこと? すべて見抜かれている」
「『他者と働く』が慢性疾患の現状認識ツールなら、『組織が変わる』は慢性疾患の寛解ツールだ」
「言語化できないモヤモヤの正体が形になって現れる体験は衝撃でした」
職場に活気がない、会議で発言が出てこない、職場がギスギスしている、仕事のミスが多い、忙しいのに数字が上がらない、病欠が増えている、離職者が多い……これらを「組織の慢性疾患」と呼び、セルフケアの方法を初めて紹介した宇田川氏。我々は放置され続ける「組織の慢性疾患」に、どんな手立てを講じられるのだろうか。著者の宇田川氏を直撃した。
組織の慢性疾患を発見する対話
対話が目指すところは、問題を単に解決するだけではありません。
むしろ問題の解決行動を一度ストップして、背後にあるモヤモヤとした課題の存在に気づくアラートとして捉える点に特長があります。
そして、本書で紹介する組織の例のように、一人ではなく、他者とともに様々な角度から眺めることにより、自分では気づけなかった背後の課題へアクセスする入口を見つけることができるのです。
結果、自分なりに頑張っていたときとは、また違った風景で問題を捉えられるようになります。
本書で考える対話とは、組織の「状態」や「文化」といった抽象的なものにアプローチするものではありません。
今、組織で起きているモヤモヤとした問題について、他者を交えて対話をすることで、慢性疾患的課題へどのような手立てを講じられるかを見つけていく仕組みです。
対話というと、何か気持ちいい話をいつもと違った環境でして、互いをよく理解するイメージがありますが、決してそうではありません。
組織の慢性疾患を見つけ、そこに具体的なアクションを講じるセルフケアを実施する変革的な取り組みとして対話を考えたいと思います。