リモートワークが長期化している今、わかりあえない上司と部下の「モヤモヤ」は最高潮に達しているのではなかろうか。さらに、経営層からの数字のプレッシャーが高まる一方で、
「早速夜更かししそうなくらい素晴らしい内容。特に自発的に動かない組織のリーダーについてのくだりは!」
「読み始めていきなり頭をパカーンと殴られた。慢性疾患ってうちの会社のこと? すべて見抜かれている」
「『他者と働く』が慢性疾患の現状認識ツールなら、『組織が変わる』は慢性疾患の寛解ツールだ」
「言語化できないモヤモヤの正体が形になって現れる体験は衝撃でした」
職場に活気がない、会議で発言が出てこない、職場がギスギスしている、仕事のミスが多い、忙しいのに数字が上がらない、病欠が増えている、離職者が多い……これらを「組織の慢性疾患」と呼び、セルフケアの方法を初めて紹介した宇田川氏。我々は放置され続ける「組織の慢性疾患」に、どんな手立てを講じられるのだろうか。著者の宇田川氏を直撃した。
組織の慢性疾患を改善する
方法論「対話」とは
組織の「慢性疾患」を改善するのに有効な方法論が「対話」です。
対話とは、単に問題解決することを目指すのではなく、様々な視点・角度から眺めることを通じて、よりよい組織の状態をつくる道筋を見つけるための方法論です。
対話は自分のモヤモヤが起点です。
そこに他者の存在・声が加わることで、対話の中身がより深められます。
以下は、私がアドバイザーとして立ち会った、ある企業でのやり取りです。
役員Aさん、マネジャーBさんとそのメンバーCさん、別部署のDさんとEさん5人の対話です。
事業を統括する役員AさんとマネジャーBさんが、メンバーのCさんに、自分たちが困っている問題について次のように打ち明けました。
「自分たち組織長は、泥臭く頑張ることで壁を越えてきた成功体験があるのでメンバーにもそうあってほしいと思っています。でも、自分から見ると、もう一歩頑張れば契約につながる案件も、どうしてそこであきらめてしまうのかと感じることがあります。どうやってこの熱量のギャップを埋めるかに悩んでいます」
それに対してメンバーのCさんはこう述べました。