リモートワークが長期化している今、わかりあえない上司と部下の「モヤモヤ」は最高潮に達しているのではなかろうか。さらに、経営層からの数字のプレッシャーが高まる一方で、部下にはより細やかなマネジメントが求められる。仕事を抱え込み、孤立無援のマネジャーたちの疲弊度も限界にきている。そこで今回、「HRアワード2020」書籍部門 最優秀賞を受賞した『他者と働く』著者・宇田川元一氏が最新刊『組織が変わる――行き詰まりから一歩抜け出す対話の方法 2 on 2』で、新しい対話の方法「2 on 2」を初公開した。早くもこんな感想が届いている。
早速夜更かししそうなくらい素晴らしい内容。特に自発的に動かない組織のリーダーについてのくだりは!
読み始めていきなり頭をパカーンと殴られた。慢性疾患ってうちの会社のこと? すべて見抜かれている
『他者と働く』が慢性疾患の現状認識ツールなら、『組織が変わる』は慢性疾患の寛解ツールだ
言語化できないモヤモヤの正体が形になって現れる体験は衝撃でした
職場に活気がない、会議で発言が出てこない、職場がギスギスしている、仕事のミスが多い、忙しいのに数字が上がらない、病欠が増えている、離職者が多い……これらを「組織の慢性疾患」と呼び、セルフケアの方法を初めて紹介した宇田川氏。我々は放置され続ける「組織の慢性疾患」に、どんな手立てを講じられるのだろうか。著者の宇田川氏を直撃した。

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体験者と共同開発者インタビューから
見えてきたこと

 連載第1回に登場した柳川さんには、2020年に私が実施した「2 on 2(ツー・オン・ツー)」の講座に参加され、その後自社で2 on 2を実施した経験をシェアいただきました。

 私が興味深いと思った点は3つあります。

1.自分のモヤモヤを大切にする
2.自分の身に起きていることは、組織的な課題とつながっている可能性がある
3.懸案の問題が解決したわけではないが、問題の意味自体が大きく変わった

 2 on 2は、組織の中での大小様々な問題を、よりよい状態へ変えていく方法です。

 自分が感じているモヤモヤ感を大切にしながら、「妖怪」の生態研究を進め、組織の慢性疾患へのセルフケアが徐々に構築されていく過程は、理想的な流れでした。

 懸案の問題は解決したわけではありませんが、問題の意味がまったく違うものに変わっていくのが、2 on 2の大きな特長です。

 問題の持つ意味が変わると、やれそうなことと、やるべきことがはっきりしてきます。

 2 on 2が、慢性疾患へのセルフケアになっている理由はここにあります。

 柳川さんが参加された2 on 2の講座では、他の3人は初対面の社外の人たちでした。

 自分の課題を捉え直すとき、社内で実施する前に社外の人たちと触れ合えたのもよかったのかもしれません。

 マネジャーとして社内で実施するときは、自分たちが日頃は話し合えていないけれど大切なことについて話すことが重要です。

 その際には、2 on 2という名前にこだわる必要はありません。必要であれば5人で実施したり、柳川さんのように部署全体でいくつも4人1組をつくってやったりすることもできます。

 通常は1時間程度実施しますが、柳川さんの場合は、すでに確保されていた2時間半で実施された点も参考になります。

 2 on 2はマネジャーが部下たちにやらせるものではありません。自分の課題からスタートして、そこからみんなでその問題について考えるものです。