8月、また滞納の相談が…
緊急事態宣言中のこの出来事を、私は既に忘れてしまっていた8月。また内田さんの滞納で、相談ごとが回ってきました。
これからは毎月支払うと約束したはずじゃない。びっくりして交渉履歴を見ると、また内田さんとは連絡がつかない状況のようでした。
高齢者が次の部屋を探すのも、大変なことです。怒りたい気持ちがあるかもしれないけど、皆が皆、自分の思うようには動いてくれないことだってあるはず。仕事をされているなら、自分の主張が正論であったとしても通らないこともあるでしょう。「家族はいない」と言っていた内田さん。木造アパートの1DKにひとりで住んで、寂しくないのかな。若い人たちが慕うようなタイプでもないし……。私はそんなことを思いながら、仕方ないかとまた手続きを始めました。
でもその思いは打ち破られたのです。内田さんの住民票を取得してみると、内田さんは既に亡くなっていました。
緊急事態宣言中に私たちが行った後、その2週間後くらいです。完全な孤独死でした。死亡年月日が5月21日から6月4日までの間という、特定できない記載になっていました。しかも死亡届が出されたのは6月末。
これは何かで内田さんが亡くなったことが発覚し、死因が特定できなかったので解剖となり、おそらくこの間に亡くなったのだろうということで、診断書が出てやっと届出ができたのが6月末ということです。
私はその住民票から目が離せなくなりました。いったいどんな亡くなり方だったのでしょう。誰にも看取られず、しかも誰にも気づいてもらえず亡くなった内田さん。現役で働いているというのは、違ったのでしょうか。それともコロナの影響で、仕事が一時ストップしていたということでしょうか。
これはあまりに淋しすぎる結末です。