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来年初めにもテーパリング
が始まる可能性

 市場では、米連邦準備理事会(FRB)が2021年後半にもテーパリング開始に関する議論を始め、2022年初めに量的緩和の縮小(テーパリング)を開始するとの見方が強まっているようだ。米国ではワクチン接種が非常に速いペースで進展しているため、今年後半には集団免疫を獲得する見込みであるほか、バイデン政権が公表した大規模な成長戦略が、早ければ7月にも成立する可能性が高い。

 筆者も2022年初めからテーパリングの開始が実現する可能性が高いと考えている。このため、前回のテーパリング前後に観察された米金融市場とドル円の動きを整理・確認しておこう。

 ここでは、前回のFRBでの金融引き締め局面を以下5つに分解する。

[1]バーナンキFRB議長(当時)発言によりテーパリング開始期待が高まった2013年5月22日からテーパリング開始直前(同年12月末)まで
[2]実際にテーパリングが開始された2014年初めからテーパリングが終了した同年10月31日まで
[3]テーパリング終了から利上げ開始前日(2015年12月15日)まで
[4]利上げ開始(2015年12月16日)からバランスシート縮小開始(2017年10月1日)前まで
[5]バランスシート縮小開始から最後の利上げ決定日(2018年12月19日)まで