3月の米失業率6.0%と改善したが
変化した「最大雇用」の捉え方
米国の3月の雇用統計で失業率は低下したが、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の変更、具体的にはテーパリング(量的緩和策の縮小)を考えるのは、時期尚早と言えよう。
「雇用の最大化」が金融政策の責務の一つだが、「最大雇用」の捉え方が、パウエル議長下のFRBでは、従来と違ってきているからだ。
パウエルFRB議長の最近の記者会見や議会証言を通じたコミュニケーションの要点は、
(1)間もなく顕在化するインフレ率の上昇は一時的なもの
(2)「最大雇用」とは“broad-based and inclusive”(広範囲で包摂的)な雇用でなくてはならない
(3)したがって、最大雇用への到達度を失業率のみでは評価しない(できない)
の3点だ。