「まん延防止」後に時短しても協力金はなし
都の不作為で感染を拡大させてはいないか

 3回目の緊急事態宣言は4月25日に発令され、当初はゴールデンウイーク明けに解除される予定でしたが延長され、現状では5月31日が期限となっています。なおこの延長に関しては、最終的に決めたのは国ですが、東京都については小池知事が要請をしたという経緯があります。

 また3回目の宣言が発令された4月25日以降、東京都は、宣言を受けて都道府県の判断で実施する「緊急事態措置」として、酒類を出す飲食店には休業を、そして酒を出さない飲食店には午後8時までの時短営業を要請しました。これが現在も続いています。

 とはいえ、多くの飲食店は昨年から苦しい経営状態が続いており、サラリーマンが集まる繁華街では、こっそりとお酒を出す飲食店が後を絶ちません。都は5月17日、酒類を提供している都内の33の飲食店に対して、コロナ特別措置法に基づく休業命令を出しました。

 もちろん私は、感染予防と法令順守の観点から、要請に反してこっそり酒類を出す飲食店を全面的に肯定するつもりはありません。しかし一方で、酒類など粗利率の高い商品を出さなければ利益を確保できないという飲食店の実情も理解できます。

 とりわけ都心の飲食店は高い家賃を負担しており、これが払えないために休廃業に追い込まれたケースは枚挙にいとまがありません。その分だけ、そこで働いてきた人々の職が消え、生活が犠牲になったということです。

 しかし、彼らのこのような実情に即して、都の協力金が十分かつ効果的に支給されていれば、感染対策としてもっと有効な状態を作り出せたのではないかと私は考えます。要するに、都の不作為が、一部の飲食店がこっそり酒類を提供せざるを得ない状況に追い込んだ側面があると考えています。

 というのも、4月25日の宣言の前である4月12日から都は「まん延防止等重点措置」として、飲食店に対し午後8時までの時短営業を要請していました。

 重点措置にも要請に従わない場合の罰則はありますが、緊急事態宣言よりは“緩い”内容であることや、都の従来の協力金の振り込みの遅さなどから、重点措置の間、午後8時以降も営業を続ける店がじわじわと出始めていました。

 こうした店舗でも、緊急事態宣言ならさすがに従う心づもりでいたようですが、都が4月25日の宣言のために示した協力金の概要は、実にひどいものでした。

 4月25日以降に時短または休業するだけでなく、重点措置が始まった12日から時短営業を守っていたことを条件としたのです。